「Cursor」と「生成AI」の賢い使い分けと開発者の必須スキル
はじめに:ツールへの投資は未来への投資

Vibe Codingの思想を形にするには、適切なツールと環境への投資が不可欠です。
私たちは、AIコーディングIDEであるCursorを主戦場とし、その能力を最大限に引き出すための環境整備と、生成AIモデルの戦略的な使い分けを進めています。

PCのスペックやツールのバージョン管理といったインフラが、AI時代の開発速度を大きく左右します
1. 生成AIモデルの賢い使い分け戦略


Cursorは、複数の生成AIモデル(GPT, Claude, Geminiなど)と連携できますが、タスクの性質に応じてモデルを切り替えることが、効率化の鍵となります。
新規開発・安定重視:「Claude」
新しい機能のコード生成や、安定性が求められるタスクには、Claudeが最も信頼できるモデルの一つです。複雑なロジックに対しても比較的論理の破綻が少なく、一貫した品質のコードを生成する傾向があります。



Claudeはプログラマーに好かれているAIの一つです
複雑な修正・泥沼脱出:「Gemini」
一方で、既存コードの修正や、AIが同じバグでループし始めた「泥沼状態」からの脱出には、Geminiが強力です。その理由は、Geminiが持つ大容量のメモリ(コンテキストサイズ)にあります。
修正作業は、既存のソースコード全体を深く理解し、過去の会話履歴を参照しながら進める必要があります。
Geminiの高いメモリ容量は、大規模なコードベースや、何度も失敗した修正履歴を忘れることなく、より正確な推論と解決策を導き出すことを可能にします。



メモリが大きいことはかなりのアドバンテージとなります
不安定なモデルのトラッキング
「ファイルのサイズが大きすぎて書き込めない」「変なループに入って終わらない」など、理解できない動きをする特定のAIモデルが存在します。
開発者は、どのAIが不安定かを常にトラッキングし、不安定なモデルを避け、安定したモデル(現時点ではClaudeなどが有力)に集約する戦略が必要です。



チャットで何のAIで動いているかを都度都度聞きながら進めるのが良いと思います
2. 予期せぬ「事故」を防ぐファイル管理術


AIは賢いですが、意図せず対象外のファイルを修正してしまうことがあります。これは、特に開発中のシステムに大きな損害を与える「事故」です。
フォルダ分割による作業範囲の限定:
意図しない修正を防ぐために、ファイル構成を見直す必要があります。すべてのファイルを横一列に配置するのではなく、機能やサービスごとに細かくフォルダ分けを徹底します。
「二重のロック」で絶対防御:
その上で、Cursorに指示を出す際に「このサービス(フォルダ)配下のファイルのみを修正し、それ以外は絶対触らないでね」と明確に、かつ強く指示を出すことが重要です。
3. AIに最適化されたハードウェアと環境整備


AI駆動開発は、従来の開発以上にPCのスペックに依存します。
メモリ8GBの限界と「32GB」への投資
Cursor、シミュレーター、Webブラウザ、そして背後で動くAIとの連携プロセスを同時に動かすには、従来のメモリ8GBでは完全に限界です。実際、開発中にPCが固まる現象が頻発し、開発速度が著しく低下しました。
AI駆動開発の快適なラインは、最低でも32GBのメモリです。特に、Macのように後からメモリを増設できないPCを使う場合、将来を見据えて32GBは必須の投資と認識すべきです。



この投資は、フリーズによる無駄な時間を削減し、トータルの開発効率を大幅に向上させます。
OSとツールのバージョン管理
OS(例:Mac OS)のアップデートが、XcodeやFlutter、Cursorの連携バージョンの食い違いを引き起こし、環境構築に手間取るという問題も発生します。
AI駆動開発では、AIツールと開発環境の連携が多岐にわたるため、環境のバージョン管理に細心の注意を払い、スムーズな開発を継続するための手間を惜しまないことが、AI時代の必須スキルです。

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